レキシズル「松平容保TERAKOYA」メモ(後編) #八重の桜 [大河ドラマ「八重の桜」]
レキシズル「松平容保TERAKOYA」の続きです。先に前編をご覧ください。
*新日本風土記「会津」
6/19〔BSプレミアム〕8:00~再放送。 必見です!
7)「八重の桜」撮影秘話
W氏から「殿には毎週台本が届くのですか?」と聞かれ、殿は「台本は毎週届き、試写もある。」と。殿はNHKエンタープライズのプロデューサーでもあります。
殿:大河ドラマは3年前にテーマが決まり、1年前からは膨大の資料との格闘になる。「八重の桜」には原作となる本がなく、八重は地元会津でも名前が知られている程度。そこを脚本家の山本むつみさんはよくやっている。「ゲゲゲの女房」を書いた人で、小さな話で泣かせるのがうまい。
8)綾野さんの印象
W氏が殿と綾野剛さんが向かい合っている写真を提示。綾野さんと稲森いずみさんにご家訓を見せている写真とのこと。
殿:番宣のため主要キャストが会津を訪ねるというのがあり、綾野剛さんと照姫役の稲森いずみさんが会津の殿に会うということで、会津の御薬園でお会いした。容保公は身体が強くなくナーバスな方。綾野さんは時代劇はやっていなくてこれまではやんちゃな役が多かったが、綾野容保を絶賛している。
去年の10月スタジオで撮影があり初めて会った。内藤プロデューサーは殿の後輩。見に行ったら家訓を読むシーンを撮影していた。綾野さんはすごく緊張していた。衣装を着けていて、容保公に似ていると思った。すごくまじめに取り組んでいる感じで「頑張ってください」と声をかけた。綾野さんは「カットといわれると身体がぐにゃぐにゃになるくらい疲れる。僭越ながら(容保公が)降りていらっしゃっている気がする。」と。
W氏:殿はどう思われましたか?
殿:「降りていらっしゃる」と。
W氏:綾野容保が容保公だと断定していいですね?
殿:いいです。
9)綾瀬はるかは天然?
W氏から綾瀬はるかさんとのエピソードを聞かれた殿。
殿:綾瀬さんは10月にプロデューサーと非公式に会津を訪問したが、つきあってくださいと言われて、福島県知事への表敬訪問などに同行した。
綾瀬さんは天然といわれているが確かに天然。細かく役づくりをする役者さんもいるが、綾瀬さんはざくっとつかむのが上手い人。会津武家屋敷を訪問したあと「どうして会津が悪者になっちゃったの?」と聞かれ、内藤Pも殿も絶句。そんなひとことでいえる話では・・・と。
10)会津にこらんしょ
W氏から会津観光案内ということでどこがお勧めだと思いますかと参加者に。松平家院内御廟、東山温泉、土津(はにつ)神社(会津藩藩祖保科正之公が奉られている)などがあがり、「土津神社は猪苗代だから(会津若松ではない)」と。
殿:今日来ているYさんは月1回は院内御廟に行ってくれている。
Yさん(女性):(当然というように)だって容保公のお墓にお花がなかったら失礼じゃないですか。
あとでうかがったら会津の末裔の方だそうです。それにしてもすばらしい!!
院内御廟は東山温泉の近くにあり、殿のお父上までお入りになっているそうです。石碑の下に亀石という亀の形の石が土台になっているのが特徴。容保公が院内御廟に葬られたのは大正6年になってから。それまでは東京のお墓に仮埋葬されていた。会津の人の動きが自由にならなかったためとのこと。
W氏:綾野さんも院内御廟を訪ねていますね。そして容保公の墓石に手を触れた時に降りていらっしゃったんですね。
殿:稲森いずみさんも素敵な方でした。稲森さんも綾野さんもまじめで芸能人ぽくないかった。綾野さんはスタップに「会津はどうでしたか?」と軽く聞かれ、「そんなこと、急にはいえないよ。」と言っていた。稲森さんもまじめであまり話をしない人で、僕がほとんど話をしていた。
W氏:会津といえば「白虎隊が可哀想」としか描かれて来なかったけれど、あんさま(山本覚馬)のような人がいるんだと知ってもらい、会津に訪れて欲しいですね。
11)院内御廟はスピリチュアル
W氏:院内御廟はスピリチュアルな場所でもあるんです。僕が以前お参りに行こうとしたら急に土砂降りになってしまい、それでも日程的にその日しか行けないので、院内御廟に行ったら、「こっちへ来い」という声がした。若い殿様のような気がして顔を上げると7代容衆(かたひろ)様のお墓の前で、
容衆様は確か10代で亡くなられている。
殿:毎年墓参りに行って写真を撮っているが、何枚かお写りになっている(笑)。明確に烏帽子姿が写っていたことも。
12)鶴ヶ城を赤瓦に
W氏:鶴ヶ城が赤瓦になりました。管家さん(管家一郎議員、元会津若松市長)がいいことをしました。管家さんは会津若松出身で自民党の議員。
殿:会うたびに「赤瓦にします」と言われていた。
13)愚直だけど
W氏:殿様の個人的な感想として、幕末、会津容保公とは?
殿:世界的にパラダイムシフトが起きた時代、リンカーンの奴隷解放など、みんな国のことを考え、なるべくして明治維新となった。その時たまたまアンラッキーになったのが会津だった。しかたない。
W氏:「愚直」と言われることについては?
殿:容保公をどう思うかと聞かれるといつも「愚直」と答えている。今は損得勘定や効率が優先の世の中だが、愚直というのはそれが損だとわかっていても信念として推し進めることで、信念の強さ、流されないことだと思う。僕は「愚直」という言葉が好き。会津のDNAでもある。損得ではなく信義で動きなさいというのが家訓の教え。それは今でも失われていないと感じている。
W氏:僕も「ならぬものはならぬ」と教えられ、ちゃらんぽらんになってしまいましたが(笑)、それでも(これはしてはいけないと)ストッパーがかかるんです。
殿:「愚直=バカ正直」でもある。結婚して16年目だが、妻と新婚旅行に行った時、たくさんおみやげを買い、税関申告書にくそまじめに全部書いていたら妻が「本当にあんたって会津ね」と言われた。器用ではない。
W氏:会津の真実をわかって欲しいですね。
私は「愚直」という言葉はちょっと容保公に失礼かなと思って、あまりよく思っていなかったのですが、殿がきっぱり「愚直という言葉は好き」と肯定してくださったので、これでいいんだと納得できました。
14)最後のスライド
W氏がつくった最後のスライド(音楽とともに自動で次々スライドが表示されるようになっている)がとても素敵でした。
容保公と孝明天皇のエピソードを、綾野剛さんと市川染五郎さんが演じている写真とともに紹介。孝明天皇は容保を信頼しラブレターを送った、それを容保は竹筒に入れて入浴の時以外は常に首から下げていた。容保が亡くなった日の日付が表示され、亡くなったあと、竹筒を調べたところラブレター(御宸翰)が出てきたとの説明。
ここまでは私も知っている話ではあったのですが、そのあとがいいのです。
ふたたび亡くなった日の日付が表示され、「この日ふたりは再会した」と。感動しました。
15)終了後、フリートーク
ここから、時間のある人は残っておしゃべり可ということで、私も残りました。同じテーブル(ちゃぶ台?)だった人のうち3人で来ていた方達が声をかけてくださり、一緒に殿やその他の方のお話にくっついて行かせていただきました。そのうちのひとりは特にインタビューが上手で、前編にも出てきた会津の末裔の女性Yさんにも色々質問していました。
Yさんも色んな話をしてくださり、本当に勉強になりました。Yさんのお勧めをここでご紹介します。
・お花祭り
会津松平家の墓所である院内御廟では毎年5/4にお花祭りという行事があり、殿のご一家をはじめ多くの方がお参りされるそうです。誰でも参加できるらしく、「是非いらしてください」とお誘いいただきました。お花祭りの様子や地元の子どもたちのことなどがNHK BSでとりあげられるとのことでした。以下の番組のことでしょうか。
→ NHK BSプレミアム 新日本風土記「会津」
2013年6月14日(金) 午後9:00~午後10:00(60分)
・本「ある明治人の記録 〜会津人柴五郎の遺書〜」
明治維新の影で、会津の人々が強いられてきた過酷な生活を伝える書とのこと。会津に関心のある方には必読とYさん。殿も推奨されていました。
ある明治人の記録―会津人柴五郎の遺書 (中公新書 (252))
- 作者:
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1971/05
- メディア: 新書
*私も早速買いました。意外に薄い新書本です。早速読みたいと思います。
・お勧め映画
「バルトの楽園」
「北の零年」
「天地明察」
このあと、殿や渡部さんとお話ししたり、写真を撮らせていただいたりしました。
着物姿の渡部麗さん。(右隣で切れているのが私。)
殿と渡部さん。殿は赤ベコのバッジをつけていました。
上の写真は実はこういう写真の一部でした。
お話しさせていただいたみなさん、ありがとうございました。
2013-06-09 02:44
コメント(2)
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ひみかさん読ませていただきました♪
素敵なブログありがとうございました!!
すごく細かいとこまで書かれていて思い出しながら笑ったりじーんとしたり…
あの日は殿には包み込むような温かいオーラを感じ会津の皆さんから貴重な話を…おまけに写真のお兄さんとW氏にはめっちゃ笑わせもらい本当に楽しい夜でした♪
第二弾あるかも?
かなり期待しちゃいますね♡
その時はまたお会いしましょう( ´艸`)
ちえ
by ちえ (2013-06-10 21:50)
☆ちえさん
みてくださってありがとうございます。
あの日のことをまとめておきたかったのと、
来れなかった方にも知ってもらえたらと思って書きました。
渡部さんと殿のかけあいはとても楽しかったし
本物の殿にお会いできたのは感動でした。
ちえさんが色々聞いてくださったので
Yさんや殿から色んなお話を聞くことができました。
ありがとうございました。
またこういう機会があるといいですね〜。
by himika (2013-06-12 03:13)