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キャラメルボックス「雨と夢のあとに」(7/28) [芝居]

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少し時間が経ってしまいましたが、7/28(日)14:00からサンシャイン劇場で、「雨と夢のあとに」を観てきました。続編の「ずっと二人で歩いてきた」も8/14に観ています。

キャラメルボックスの舞台は今回が初めて。私が今まで観たお芝居というとテネシー・ウィリアムズ(「欲望という名の電車」ほか)など、かたい感じのものが多かったのですが、これはちがってました。歌いはしないけれど、音楽に合わせてみんなで踊るシーンがあったりと明るい雰囲気で、ミュージカルに近い感じすらしました。

以降、ネタバレあるかも。

キャスト
雨   吉田里琴
朝晴  大内厚雄
暁子  岡内美喜子
マリア 岡田さつき
早川  岡田達也
霧子  楠見薫
北斗  鍛冶本大樹
正太郎/高柴 三浦剛
康彦/洋平 西川裕幸
水村/波代 大森美紀子
ちえみ/大谷 笹川亜矢奈
沢田/番場 小林春世
熊岡/広瀬 毛塚陽介

ストーリー
小さい頃に母を亡くし、ベーシストの父・朝晴(ともはる)と暮らしている中学2年生の雨は、珍しい蝶を探しに台湾に出掛けた朝晴の帰りを待っている。予定より遅く帰ってきた朝晴との再会を喜ぶ雨。でも朝晴は実は蝶を探すうちに穴に落ちて死んでしまっていた。はじめはそのことに気づかないのだが、朝晴をみえる人とみえない人がいることがわかり、自分が死んでいると気づく朝晴。でも周りの人の協力を得て、雨とともに暮らしていこうとするのだが・・・。

愛する娘への思いから、魂だけ帰ってきた朝晴。大切な人を守りたいという思いはそれだけ強いんだと感じます。そして、朝晴のバンドの元メンバー、雨と朝晴の周りにいる人がみんないい人ばかり。朝晴の先輩夫婦とその息子の北斗、隣人の暁子さん、田舎のおじいちゃんとおばあちゃんなど。みんな、雨を気遣い、彼女に朝晴が死んだことを気づかせないように、それぞれが雨を支えようとします。強く感じたことは、「血がつながっていてもいなくても、愛によって家族になれるのだ」ということ。それはこの作品が柳美里さんの体験をベースにしているからなのかも。

柳さんは複雑な家庭に育って、10代で東京キッドブラザーズに入り,その主催者で演出家の東由多加(ひがしゆたか)さんと暮らすようになります。その後、別な男性と交際するうち妊娠。でも結婚できない事情があったようで、東さんのところに戻ります。そのこと東さんはガンに冒され、余命わずかという状態でした。そして出産。血のつながりはないけれど家族として暮らしていたのです。(詳しくは柳さんの著書「命」を参照。私の記憶で書いていますので。)

購入したパンフレットによると、余命がわずかになっても、東さんは「俺があなたを残して死ぬわけないじゃない。絶対に死なない。」と言っていたそうです。この「絶対に死なない」という言葉からこの作品が生まれたと知りました。

やがて東さんは亡くなってしまうのですが、愛する人を守るために絶対に死なないと誓った思いを柳さんは感じていたのでしょう。本作の朝晴も自分が死んだらひとりになってしまう娘のために死ぬわけに行かなかった。そばにいたかった。後半で雨の出生の秘密が明らかになるのですが、そんなことは関係ない。朝晴と雨の絆の深さを強く感じます。

それにしても、こんなにも周り中の全ての人から愛され、守られる雨は幸せな人。(お父さんが亡くなってしまうのは残念ですが。)あり得ないくらい愛される雨は、不遇な幼少期をおくった柳さんの憧れをあらわしているのかしら。観客の誰もがこうはいかないわけですけど、でもひがむことなくみていられるのは、雨の明るさ、天真爛漫さがこの作品の救いになっているからかな。

悲しい物語ですが、今は亡き、自分を思ってくれた人のことを思い出させてくれる、どこか暖かみのあるお話でした。そして、お芝居はとってもコミカル。朝晴の先輩夫婦など、そのやりとりを見ているのも面白い感じ。笑いどころもたくさんありました。

初めてだったけど、勇気を持って観に行ってよかったです。

なんか、ブタ展もやってました(笑)
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