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「ロミオ&ジュリエット」柿澤ロミオ初日(9/5)観てきました [ミュージカル]

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カッキー(柿澤勇人さん)が出なかったら観る機会がないかも知れなかったミュージカル「ロミオ&ジュリエット」を初めて観に行きました。もちろんカッキーがロミオの、初日に。(ジュリエットはフランク莉奈さん、ティボルトは城田優さんでした。)

「ロミオ&ジュリエット」はシェイクスピアの戯曲としてあまりにも有名な古典的(?)作品なので、観る前には「なんか古めかしい感じのミュージカルなのかな〜」とテンション低めだった私ですが、全然イメージと違いましたね。これってロック・ミュージカルって言っていいですよね?いままで食わず嫌いしててゴメンナサイ。ロック的であり、でもすごくゴージャス感もあり、見応え十分でした。

初めて観たので色々よくわからなくて戸惑ったところもあり、十分理解し切れていないところもあると思うのですが、そのへんは温かい目で見ていただけたらと思っています。

以降、ネタバレあり。

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ダブル、トリプル・キャストが勢揃いのポスター。横長〜。

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「ロミオ&ジュリエット」 9/5(木)18:30 シアターオーブ

主なキャスト
 ロミオ      柿澤勇人
 ジュリエット   フランク莉奈
 ベンヴォーリオ  尾上松也
 ティボルト    城田優
 マーキューシオ  東山光明
 パリス      岡田亮輔
 
 キャピュレット卿  石川禅
 ロレンス神父    安崎求
 モンタギュー夫人  鈴木結加里
 モンタギュー卿   ひのあらた
 ヴェローナ大公   中山昇
 乳母        未来優希
 キャピュレット夫人 涼風真世

 死のダンサー    宮尾俊太郎

ギリシャ神殿の遺跡のような円柱だけの建物が絵が描かれた幕。それがあがる(落ちる?)と、同じような古代遺跡があらわれる。それを見ていたはずなのに、私は最初から誤解していました。シェイクスピアだから舞台はイギリスだと(笑)。最初の歌で、キャピュレット家とモンタギュー家の若者たちが出てきて、ヴェローナ、ヴェローナと歌っていたし、うちへ帰ってパンフレットに石川さんのインタビューに「イタリアの伊達男」がどうとかと書いてあったのに、「なんでイタリアなのかな〜。」と。どこまで察しが悪いんだか(笑)

その若者たちが出てきたところで、ひときわ目立つカッコいい男。明らかに他の人とはちがう(衣装も貴族のような長めの上着)存在感、主役感。もちろん城田優さんなんですが、あまりのカッコよさに、こんなカッコいい人が出てくる話なんだっけ?と混乱。ティボルトという、ジュリエットのいとこだったんですね。最初の歌は大勢で歌うせいか、音響的ななにかなのか、反響しあって言葉があまり聞き取れなくて、とにかく「ヴェローナ」なんだなと(笑)。ライオンの紋章のキャピュレット家の人たちはヒョウ柄の衣装で、恐竜(と言ってたけどたぶんドラゴン)の紋章のモンタギュー家はキリン柄・・・と途中まで思っていたのですが、爬虫類のウロコ柄でしたが、その対比がわかりやすかったです。

次の場面で、涼風真世さんのキャピュレット夫人はジュリエットの母とは思えないものすごい色気で超美形の甥(城田さん)を誘惑。不機嫌に「やめろよ」と払いのける城田ディボルトの表情から、このふたりホントに性的関係なんだな、と感じさせるものがあり、本当は好きな人がいるのに欲求不満のオバさん、じゃなくて、叔母さんにもてあそばれているティボルトの悲しさが伝わってきました。本当に迫真の演技。

そして「憎しみ」という歌になるんですが、ジュリエットの母とロミオの母が両家の憎しみあいを嘆く歌ですが、「憎しみ、憎しみ」と何度も歌うのでなんか違和感があり、「屋根の上のヴァイオリン弾き」の「それは〜、しきたりっ!」っていう繰り返しが思い浮かんで、日本語でこういう単語を連呼する歌ってどうなんだろうとちょっと思ってしまったりもしました。

私はファンクラブでとってもらった席で1階11列40番。結構端の方で、ファンクラブ席なのにな〜と内心思っていたのですが、ロミオの登場シーンでその意味を理解。上手の客席の脇の上部から登場するロミオ。真上を見上げたらちょうどそこにロミオ様(カッキー)が。なるほどね。たいへんいい席をありがとうございます。ぺこり。

音楽も現代的だけど、連絡に携帯電話を使っていたりしてそこだけ現代風なんだけど、そこはちょっと違和感がありました。この作品の一番の悲劇的行き違いも携帯電話が原因なんて、どうなんでしょう?

話は戻って、カッキーのロミオなんですが、これが可愛くて可愛くて。純真で、疑うことを知らない平和主義のロミオはカッキーの王子様キャラにぴったり。うっとりみとれてしまいました。フランク莉奈さんのジュリエットも透明感のあるきれいな声で、ジュリエットそのもの。素敵なカップルでした。

可愛いだけじゃなく、カッキーは歌がすごくうまくて、優しい歌も激しい歌もあるけれど、それを歌い分けていてさすがと思ったし、「世界の王」などの群舞でも、ソロを歌いつつ、複雑なダンスも難なく踊っていて、その運動神経はすごいな〜とひたすら感心。すごくよかったです。

ロミオの友達のベンヴォーリオは尾上松也さん。ジャニーズ系?なルックスで、明るくて、可愛くて「この人誰?嵐の誰かだっけ?」とか思って見ていたのですが、幕間にパンフレットを買って尾上さんとわかり「尾上さんって歌舞伎役者さんみたいな名字だな〜」と思ったら本当に歌舞伎役者さんでした。

あと、死の役の宮尾俊太郎さん、はじめてみましたが、なんにもしゃべらないで時々出てきてひとりで踊っているのですが、その身のこなしが美しくて、この人が出てきたら死の暗示なんだろうなと思いながらも見入っていました。

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仲間に無理矢理誘われて潜り込んだ仇の家の仮面舞踏会でロミオはジュリエットと出会い、互いに濃いに落ちる。ジュリエットがバルコニーでロミオを思っていると、ロミオは壁を登ってジュリエットのもとへ。確かに手や足をかけるところがたくさんつくってあるけれど、垂直の壁を上り下りするのは見ている方がちょっと心配なところがあり、特に降りる時にジュリエットが突然大きな声で「気をつけて!」と叫ぶところなど、「逆に危ないでしょ!」とつっこみたくなりました。出会った時もキス、バルコニーでもキス、教会でもキス。全部で何回キスしたかしらと思うくらいで、カッキーファンとしてはフクザツ・・・と思っていたら、ベッドシーンまで!きゃ〜!!

愛し合うロミオとジュリエットがちょっとした行き違いで死んでしまう悲劇の物語ですが、その一方で、恋を実らせることなく死んでしまうティボルトの悲劇の物語でもありました。同じ家柄のいとこ同士で幼い頃から好きだったジュリエットなのに、思いを伝えることも手出しもできないティボルト(叔父が借金返済ためにジュリエットを金持ちと結婚させたがっていたので)。なのに、結婚なんて絶対あり得ないはずの仇の家のロミオがあっさりジュリエットを射止め、(勝手に)結婚してしまう。キャピュレット家の方がしきたりを重んじる家なのかしら。「それは〜しきたりっ!」(←これはちがう話だけど。)って?ロミオを中心にモンタギュー家(←どうしても覚えられない!)の若者が歌うみんなが王なんだ、みたいな曲には自由さが表れていますよね。そんな自由なロミオにジュリエットを奪われたティボルトの絶望感は相当なものだったはずです。

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ティボルトは苦悩したり、怒ったり、嘆いたり、時には吠えたりしているのに、どの瞬間をとっても美しいって、城田さんはすごい。死ぬ瞬間もカッコよすぎてロミオよりティボルトを見ちゃいましたよ。ロミジュリのドラマチックさ加減が宝塚的だなと思ったら、宝塚の演出家の方の演出なんですね。そう思うと、城田さんは宝塚の男役でも行けそう。女っぽいという意味ではなくて。宝塚の男役(特にトップの人)は女性が求める理想的な男性像の中に女性ならではの色気が漂って美しいんですよね。城田さんは美しさの中に男性的な強さがあってセクシーさもあって、宝塚的な理想的男性像に近い感じがしました。

他にもたくさんの登場人物はいるのですが、初日なのはカッキーと城田ティボルトと宮尾さんであとは2公演目、3公演目とはいえ、始まったばかりなのにこの完成度の高さにも驚きました。

そういえばロミオとジュリエットが結婚式で「エ〜メ〜、愛してる〜」とか歌うんですが、「エメ」って何なんでしょうか?ヴェローナ大公って誰なの?マーキューシオの叔父さん?ってことはモンタギュー家寄りなの?とか、疑問は色々あるのですが、それはまあいいとして、全体としては見応えがあってよかったです。

トリプルキャストのロミオのそれぞれの初日は、スペシャル・カーテンコールになっていました。スペシャルじゃないのを観ていないのでどこがスペシャルかよくわからないのですが、たぶんカッキーなどが挨拶したところとか、最後にメインキャストが客席のセンターブロックの両脇の通路を駆け抜けたりとかでしょうか。カッキーの挨拶は来場者への感謝とかまたきてくださいとかそんな感じだったと思うのですが、いったん下がったあとまた出てきた時には「ウサイン・ティボルト」と言って城田さんを紹介(パンフにも初演から出ている城田さんをウサイン・ボルトに例えているところがあり、カッキーや古川雄大さんを挑戦者に見立てていたんだと思います)。城田さんは「ロミオよりもティボルトの方がすごく緊張しました」とか言ってましたね。ぜんぜんそんな感じではなく、堂々とした演技でした。

長くなったので、こぼれ話などは別記事にしようと思います。ではおやすみなさい。

◆「ロミオ&ジュリエット」公式サイト
 http://romeo-juliette.com/

◆参考CD
ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」ハイライト・ライブ録音盤 / 城田優Ver.

ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」ハイライト・ライブ録音盤 / 城田優Ver.

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: 日本コロムビア/梅田芸術劇場
  • メディア: CD


宝塚版
星組宝塚大歌劇公開ライブCD ロミオとジュリエット

星組宝塚大歌劇公開ライブCD ロミオとジュリエット

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: 宝塚クリエイティブアーツ
  • 発売日: 2013/08/09
  • メディア: CD


宝塚ライブ版
ロミオとジュリエット 星組梅田芸術劇場公演ライブCD

ロミオとジュリエット 星組梅田芸術劇場公演ライブCD

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: 宝塚クリエイティブアーツ
  • 発売日: 2010/09/22
  • メディア: CD


ロミオとジュリエット 雪組大劇場公演ライブCD

ロミオとジュリエット 雪組大劇場公演ライブCD

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: 宝塚クリエイティブアーツ
  • 発売日: 2011/03/04
  • メディア: CD


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コメント 2

NO NAME

エーメーは、フランス語で「愛」という意味です。
by NO NAME (2013-09-13 15:07) 

himika

ありがとうございます。
勉強になりました。

予備知識なく観てしまったので、
意味がわからなかったのですが、
次回からはそういう意味と思ってみれば
よりわかりやすいと思います。
by himika (2013-09-13 20:41) 

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