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「ネクスト・トゥ・ノーマル」(9/22昼、9/27夜)観てきました [ミュージカル]

N2N2013_eyes_IMG_2041.jpg
前の記事がヘビーすぎたので、観てきました編を2回まとめて。

ネタバレあり。  *追記あり(2013.10.3)


2回目 9/22(日)13:00 ダイアナ:安蘭けい ゲイブ:辛源
3回目 9/27(金)17:00 ダイアナ:安蘭けい ゲイブ:小西遼生
(初回 ダイアナ:シルビア・グラブ ゲイブ:小西遼生)

■ダイアナとゲイブ
2回目は初回の裏キャストで安蘭&辛ペアでした。キャストが変わるとずいぶん雰囲気が変わるもんだなと思いました。安蘭さんのダイアナは若々しくてエネルギーにあふれている感じ。ダンと初めて衝突するシーン(わかってないと言いあうところ)では最後椅子に座ってゲイブとダンの両方から色々言われてるところではわなわなとからだが震える感じで、呆然として目の焦点が合わなくなっていたシルビアさんのダイアナとはちがっていました。

辛源さんのゲイブは本当にいそうな息子という印象。ママをたしなめる最初のシーンもちょっと大人っぽい感じ。自然にファミリーに溶け込んでいて、観ていても本当にいると錯覚しそうでした。

3回目は安蘭&小西ペア。小西さんは妖艶な感じでちょっと突き放したようにママと関わる。追いかけたくなるようなゲイブでした。

公演期間が1か月弱しかなかったことと、家の事情もあってなかなか予定が入れづらかったことが重なり、3回が精一杯でシルビア&辛源ペアだけ観れませんでしたが、大人っぽいペアになったのかな〜と想像しています。


■その他の感想
これまで書きそびれた感想を思いつくままに書いてみます。

・日本語訳?音響?
N2Nを日本語版で観れたことは本当によかったと思っているし、日本語になったことで理解が深まったり、気づいたことも多々ありました。残念だったのは、その大切な日本語の歌詞やセリフがよく聞き取れないところが少なからずあったところです。3回観てもわからないところはわからない。それが音響のせいなのか、訳詞がメロディにはまりにくいのか、私の耳がおかしいのか、理由はよくわかりませんが。以前に劇団四季のミュージカルを何度もリピートしたあとに東宝のミュージカルを観たら、何を言っているのか聞き取れなくて困ったことがあり(四季ははっきり発音するのがポリシーで逆にわざとらしいくらいなのですが)、日本語なのに聞き取れないというのは何とかならないかなと思います。正直「字幕が欲しい!」と思いました。

・お掃除
ダン役の岸さんはお掃除ばかりしてましたね。ダイアナが並べたパンを片付けたのもダン。2階でナタリーとヘンリーが出会う場面の影で薄暗い1階でパンを片付け、床や椅子の上のパン屑を集め、丁寧にお掃除。

「You Don't Know」でダイアナがちらかしたナプキンやカトラリー類を片付けるのもダンでした。そういえば2回目の時、その続きで「♪教えて 何が恐いの」とダンが「I Am the One」を歌い始めて、怯えたダイアナが後ずさりするところで、ちょうど足下に黄色いナプキンが落ちていてダイアナ(安蘭さん)が軽く踏んで、危ないなと思う場面がありました。でも無事にダイアナは後ずさりで通過し、ダイアナの方に歩いていったダンは怒ってる風にそのナプキンを奥に蹴飛ばしていました。さすがです。

そしてダイアナが自殺未遂をしたあと、ダイアナが座っていた椅子をお掃除。これは裏方としてではなく役としての演技ですが。あの場面、バケツの中に絞ると透明の水が出るスポンジと赤い水が出るのがあって、最後に縁にかけてある乾いた雑巾で拭いているんでしょうね。最初に見た時は椅子を拭いたあと絞ったら赤い水が出たようにみえてビックリしました。

・ダンス
ダイアナとドクター・ファインが踊る場面で、なぜか「RENT」の「Tango: Maureen」を想像してしまいました。地味な感じのドクターが白衣の前をパーンと開いたりとかコミカルなシーンということと振付けがそんな風にみえたのかな。こちらはタンゴではなくワルツですけど。そういえばダイアナとゲイブが踊るのもワルツでしたね。どちらも妄想ですが。

・なつかしい山々(I miss the Mountains)
初めてこの曲を聴いた時、山々は何を意味してるのかあまりピンときませんでした。日本版を観たら、子どもの頃にみた山の風景みたいな感じがしてしまい、ますます混乱。辛源さんのブログでこれが双極性障害の起伏だと教えていただき、そう思って台本を読むとAll the manic, magic days/ All the dark, depressing nightsという歌詞があり、manicは躁病的な、depressingはうつ的ということだからそのことだとよくわかりました。つまり薬物療法で感情の起伏がなくなってしまっているということですね。

私がよくわからないのは冒頭の部分の和訳です。
There was a time when I flew higher,
Was a time the wild girl running free
Would be me
Now I see her feel the fire,
Now I know she needs me there to share -
I'm nowhere.
1〜3行目は「飛び回っていた少女は私」というような訳でそれはまあいいんですが、そのあと、「娘は炎を秘めて、分かち合いたがってる、母と」みたいになっていたと思うんです。最初にそれを聞いた時はダイアナとそのお母さんのことだと思ったのですが、あとで英文をみたら「私と彼女」になっていたのでわからなくなりました。和訳でいう「母」にあたるのがIだとするとダイアナのことで「娘」はナタリー?そういう訳でいいんですかね?私は最初の方で「ワイルドな少女は私」と言っているので、そのワイルドな少女だったころの私が今の気持ちの抑揚がなくなってしまった私に働きかけようとしているという意味じゃないのかなと思ったのですが。どなたかご存知の方、教えてください。

【追記:2013.10.2】***
ヨコウチ会長さまより、Sheはナタリーで恋するナタリーをみて「ダンに求婚されたこと、熱かったころが懐かしい、ナタリーはまさに私、と、若い頃の自分をナタリーと重ねている感じかと」とのコメントをいただきました。なるほど!この説明ならよくわかります。さらに詳しくは、私がヨコウチ会長さまのブログでこの件を質問したコメントの返信として書いてくださいましたので、是非ご参照ください。

◆14歳と300ヶ月・別館(ヨコウチ会長)
『ネクスト・トゥ・ノーマル』(9月7日ソワレ・シルビア版初日)第1幕@シアタークリエ

ほかに以下の記事もN2Nについてとても詳しく解説されていてオススメです。
『ネクスト・トゥ・ノーマル』(9月7日ソワレ・シルビア版初日)第2幕@シアタークリエ
『ネクスト・トゥ・ノーマル』(9月12日マチネ・安蘭版パープルデー)@シアタークリエ
***

・妄想の中で母娘が出会う
電気痙攣療法を受けているダイアナと母親の薬でラリっているナタリーが妄想の中で出会う場面があります。それを観て、私は「エンジェルス・イン・アメリカ」を思い出してしまいました。「エンジェルス〜」の中でも、エイズを発症して苦しみの中で妄想する青年と夫とうまくいかずに薬に溺れている女性が妄想の中で出会っています。他の作品でもこういう表現があるのかどうかはわかりませんが、私はとりあえず「エンジェルス〜」に似てるなと思いました。

・危ない!!
どちらも3回目の時ですが、ゲイブ(小西さん)が2階で歌っている時に、ポールにつかまった状態で片足が床から外に出てしまって、危ない!と思いました。落ちそうになったわけじゃなくて、そういう演技だったのかも知れないけど。

もう一箇所はナタリーのピアノリサイタルが終わりヘンリーとともに退場するところ。ナタリーが先に歩いてヘンリーがピアノを押していくのですが、ピアノの足につまずいて転びそうになって、でも転ばずに退場し、ピアノとヘンリーも普通に退場したのですが、ひやっとしました。足、大丈夫だったかな。でもそのあとのシーンもふつうに歩いたリ階段を上ったりしていたので大丈夫そうでよかったです。

・目と口
「ネクスト・トゥ・ノーマル」の象徴とも言える紫の目。ドクター・マッデンの催眠療法のところで「♪ドアを開いて〜」というとことで2階の壁側に収納されていた目の部分がドアのように90度回転して出てきました。そして次に電気痙攣治療の時だったと思うのですが、2階部分の目と1階の鼻と口が開いて(1階はスライド式)顔になります。治療によって開眼し、自分の意見が言えるようになったという暗示なのか。目の方は、結婚や赤ちゃん誕生などのエピソードを語るところですね。ゲイブのことに少し向き合えたということかな。顔の方は妄想の中でナタリーと会話するところだから、ナタリーと向き合えたと。実際に観ている時にはそこまでは考えられなかったですが。

・ノーマルとパーフェクト
ヘンリーがナタリーに向けて歌う(ナタリーも一緒に歌う)「Perfect for You」で、「♪君にとってパーフェクトになれるよ」と歌っています。パーフェクトという部分は英語のままなのでパーフェクトのニュアンスがわかりづらいのですが、君にとって申し分のないパートナーになるよというようなことなのかな?ノーマルと同様にパーフェクトもちょっと極端な言い方ですが、最後の方で「crazy is perfect」と言っていてそれならOKと思いました。ナタリーがもし自分が精神的におかしくなったら?というようなことを聞いた時、「自分だっておかしくなるかも。人生には色々ある。それでもいい。だってクレイジーはパーフェクトだから。」 みたいな返事だった。ナタリーがダイアナに「ネクスト・トゥ・ノーマル(普通の隣)でいい」と言ったのと同じ感じでいいなと思いました。そういえばどこかでお互いに傷つけあわない相手だとか言ってましたよね。ヘンリーとならナタリーもほっとできそう。

・2組のカップル
そういえば、ヘンリーがナタリーにアプローチするところで、若いダンがダイアナにプロポーズしたり、誓いを立てたりしていましたね。どちらも気性の激しい少女とあまり深く考えず(?)一途な少年という組み合わせなんですね、どっちも。ナタリーも壊れやすいタイプな気がするので、ヘンリーと上手くやって欲しいなと思います。

結局長くなってしまいました(笑)。ダイアナと家族を心理的にどうみるかについてはまたあらためて書くつもりです。忘れないうちに。


◆「ネクスト・トゥ・ノーマル」公式サイト
 http://www.tohostage.com/ntn/

◆ブロードウェイ版CD
Next to Normal

Next to Normal

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Ghostlight
  • 発売日: 2009/05/12
  • メディア: CD


◆ブロードウェイ版台本(英語)
Next to Normal

Next to Normal

  • 作者: Brian Yorkey
  • 出版社/メーカー: Theatre Communications Group
  • 発売日: 2010/07/20
  • メディア: ペーパーバック


◆楽譜
Next to Normal for Piano/Vocal/Chords: Vocal Selections

Next to Normal for Piano/Vocal/Chords: Vocal Selections

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Alfred Pub Co
  • 発売日: 2009/11
  • メディア: ペーパーバック



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