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「メリリー・ウィー・ロール・アロング」&アフターイベント(11/4)行ってきました [ミュージカル]

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11/4(月・祝)の12:30からの「メリリー・ウィー・ロール・アロング 〜それでも僕らは前に進む」を観てきました。この作品は今回が初めてです。

この作品を観るきっかけは、もちろん私が応援する柿澤勇人さま(カッキー)が出演するというところなんですが、作詞・作曲のスティーブン・ソンドハイムも大好きで、そういう点でもとても興味がありました。

独特な曲調で知られるソンドハイムですが、「メリリー〜」の楽曲はソンドハイムにしてはあまりアクが強くなくて、軽快で耳なじみがいい感じの曲が多く、しかも何曲かの歌を何度も繰り返して歌うので、帰る頃には覚えて口ずさんでいました。私は結構好きかも。

観ていて思ったのは、ジョナサン・ラーソンの「チック・チック・ブーン!」に似てるなあと。「チック・チック・ブーン!」の方が逆に本作の影響を受けたんでしょうね。ジョナサンはソンドハイムを尊敬していたので。この件については別記事にしようと思います。

以降ネタバレあり。

「Merrily We Roll Along」というタイトルですが、merrilyは「楽しげに」、「陽気」にというような意味、roll alongは「回転しながら動いていく」、「<計画などが>順調に進む」という意味なので、サブタイトルに「それでも僕らは前に進む」とつけたのでしょうか。

キャスト
小池徹平 チャーリー・クリンガス
柿澤勇人 フランク・シェパード
ラフルアー宮澤エマ メアリー・フリン

上山竜司 タイラー/男性キャスター/ダンサー/客/ダンスの先生
広岡友祐 ピアニスト/ジョー・ジョーゼフソン
海宝直人 ルー/判事/ダンサー/ガッシーのジゴロ/客
菊地創  テリー/スペンサー氏/ダンサー/客
山田宗一郎 ジェローム/客
上條駿  バンカー/TVカメラマン/ダンサー/客/メアリーの恋人
小此木麻里 K・T/A.ウォーホル/スペンサー夫人/音痴の女の子
関谷春子 スコッティ/フロア・ディレクター/客
皆本麻帆 メグ/メイク/客/ダンスの生徒/イーヴリン
万里紗  ドリー/キャスター/客/牧師
大西統眞/大東リッキー フランクJr.(子役ダブルキャスト)

ICONIQ ガッシー・カーネーギー
高橋愛  ベス・シェパード

こうしてみると結構登場人物が多いですね。メインは脚本家のチャーリー(小池)と作曲家で映画プロデューサーでもあるフランク(柿澤)と作家のメアリー(ラフルアー)という親友同士(だった?)3人。あとはフランクの現在の妻で女優のガッシー(ICONIQ)と元妻のベス(高橋)などかな。それ以外の登場人物も色々絡んできます。

作曲家のフランク、脚本家のチャーリー、作家メアリーの男女3人の親友同士のアーティストを中心とした物語が、現在(といっても1976年)から数年ごとに約20年さかのぼっていくような作りになっているのですが、結末がわかっているはずなのに進んで(時間的には戻って)いくごとにどこでどうボタンを掛け違ってしまったのか、その時は仕方なかったんだろうけど結果こうなっちゃったのか・・・みたいにだんだんわかっていくので、最終的にどこに戻るかはなんとなくわかっているんだけど飽きずにみることができました。

最初の場面ではフランクがプロデュースした映画の大ヒットを祝うパーティで、飲んだくれたメアリーがフランクにくってかかっている。チャーリーはそこにはいなくて、ミュージカルが成功してピューリッツァー賞をとったと話題になるだけ。親友だった3人がなぜこうなったのか。場面が変わるごとに繰り返されるフレーズ「なぜここに来た?いつの間に?」、「出掛けよう 広がる世界 僕らの夢を 夢を 探しに」、「でも オールド・フレンド こんな仲間が 他にあるかい? ないさ」がなんだかせつない。貧乏だけど将来の夢をみている時も、方向性がすれちがいはじめた時も、家庭生活で色々あっても、みんながその時々なんとか前向きに生きていこうとしているのがよくわかるから。成功をおさめて人生の絶頂ともいえる時期でさえも、何かが足りない、というか、大切なものをなくしてしまったような感じがあったり。幸せって何だろう、本当に大事なものって何?と色々考えさせられました。

一番最後の、3人が出会うシーンの設定がロマンティック。宇宙に思いをはせて、どんなことでもできそうな夢にあふれた若者の出会いにはぴったりだと思いました。


大ヒット朝ドラ「あまちゃん」にも出演されていた小池徹平さんはミュージカルが初めてとは思えないノリの良さで、ソンドハイムのミュージカルにはよく出てくる早口ナンバーもコミカルに歌いこなしていたし、何より本当に可愛い。愛されキャラって感じでした。

柿澤さんは前半は苦悩する場面が多く、最後の方で無邪気な青年になってちょっとほっとしました。40代にみせるためかテカテカのオールバックもなかなかきまってました(40代まで老けてはいないけど)。ちょっとヤなヤツ的な役柄でもあるのですが、チャーリーとのミュージカル作品を成功させるためよかれと思ってしたことでそうなったとわかったらなんかフランクが可哀想になりました。

ラフルアー宮澤エマさんをカッキーはエマちゃんと呼んでいたのでそれにならってエマさんと呼ぶことにしますが、エマさんが演じるメアリーの最初のシーンは、セリフにもあったと思うのですが、まさに飲んだくれて太ったオバさん風でビックリしたのですが、だんだんに若返って可愛い感じになっていくのでまたビックリでした。一番変身した感じです。

ガッシー役のICONIQさんはスタイルがよくてすごくキレイな人。大女優の嫌味っぽさもよく出ていました。そんなガッシーも変化が激しくて、若い頃はこんなにオーラなかったんだなーとか。うまく変化をだせていましたね。

ガッシーの元夫でプロデューサーのジョーもホントにヤなヤツなんだけど、落ちぶれ加減をみると憎めないなーと。


■アフタートークイベント
この日は柿澤さんのアフタートークイベントの日でした。
終演後、参加申し込みをしていた人だけが再入場してイベント開始。

カッキーはこんな楽しい現場は初めてと語り、同年代のキャストと作品づくりをしていく楽しさを強調していました。この作品をとても気に入ったようで、40代まで同じキャストでやりたいと話し、再演を熱望していました。

司会の大滝さん(カッキーのマネージャーさん)が他のキャストにカッキーのことを聞いてきた内容を発表されたのですが、酒好き、カラオケ好きとか、酔っぱらうとエマさんやICONIQさんに英語で話しかける、芝居のことになると熱く語りあったり、ふざけて場をなごませたり・・・とカッキーらしいエピソードが。

カッキーによると、演出の宮本亜門さんは「ソンドハイムは階段の真ん中にいさせるのが好き。上にも下にもいけない感じ。」とソンドハイム作品の特徴を表現されたとのこと。確かに、このあとどうなるのかなっていう作品が多いかも(「スウィーニー・トッド」は別ですが)。カッキーはこの作品をロンドンで観たそうですが、1回目はよくわからなかったとのこと。「この作品は1回観ただけではわかりにくいので、複数回観にきてください。」と。確かに、最後まで観たあとで、もう一度観たら見え方が変わってくる気がしますね。

私は次回は11/17に観に行く予定です。

なんかCDも欲しくなっちゃったな〜。

◆「Merrily We Roll Along」のCDたち
・初演版 1981年
Merrily We Roll Along

Merrily We Roll Along

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: RCA
  • 発売日: 2007/04/03
  • メディア: CD


・1992年版
Merrily We Roll Along

Merrily We Roll Along

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Traditions Alive Llc
  • 発売日: 2008/06/24
  • メディア: CD


・1998年版
Merrily We Roll Along: The New Cast Recording (1994 Off-Broadway Revival Cast)

Merrily We Roll Along: The New Cast Recording (1994 Off-Broadway Revival Cast)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Varese Sarabande
  • 発売日: 1994/11/01
  • メディア: CD


・2012年のコンサート版
Merrily We Roll Along

Merrily We Roll Along

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: P.S. Classics
  • 発売日: 2012/07/10
  • メディア: CD

*「イン・ザ・ハイツ」の作者で主演もしたリン・マニュエル・ミランダがチャーリー役ってちょっと気になりますね。

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