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賛否両論?のミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」を観ました(4/3マチネ) [ミュージカル]

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4/3(木)13時から「ラブ・ネバー・ダイ」(原題:Love Never Dies)を観てきました。木曜の午後なのは仕事を半休したから(笑)。みようかどうしようかかなり迷い、チケットを取りそびれていて、決心した時には選択肢が少なくなっていて、とにかく鹿賀さんのファントムで観たいなど色々条件をつけているうちに平日に行くことになったのでした。

ふだんミュージカルを観ても泣くことはほとんどない私ですが、本作ではラストでうるっときてしまって、終演後すぐ「感動した」とツイート。観そびれていた友人が反応してきたので、「追加公演あるよ」と誘い、チケットの購入まで頼んで、早々にリピート決定。あとで意外と低い評価をしている方が多いと気づき、所詮、私のミュージカルの知識なんてこんなもんでしょと、あらためて自覚したところです。

以降、ネタバレあり。


この日のキャスト
ファントム 鹿賀丈史
クリスティーヌ・ダーエ 平原綾香
ラウル・シャニュイ子爵 田代万里生
メグ・ジリー 笹本玲奈
マダム・ジリー 香寿たつき
グスタフ 山田瑛瑠

フレック あべみずほ
スケルチ 辰巳智秋
ガングル ひのあらた

上野聖太 さけもとあきら 染谷洸太 田村雄一 丹宗立峰 遠山裕介 港幸樹 安福毅
秋園美緒 秋山エリサ 彩橋みゆ 飯野めぐみ 家塚敦子 池田知穗 池谷裕子 佐々木由布 吉田萌美

■鹿賀さん・・・
ミュージカル音痴ついでに言ってしまうと、私がどうしても鹿賀さんが観たかったのは、大変失礼ながら、い●むらさんは今まで色んな作品で拝見して、それぞれのキャラクターに見事になりきっていらっしゃったのですが(「屋根の上のヴァイオリン弾き」の田舎のお父さんや「スウィーニー・トッド」の冷酷な殺人鬼など)、私にはどうしても、でもい●むらさんさんだよね?って思えてしまって・・・。といいつつ、次回は追加公演でい●むらさんさんのファントムで観ることになっています。

鹿賀さんをメインに選んだ日程だったにもかかわらず、少し前に倒れられてお休みなさったことと関係あるのか、この日の鹿賀さんは声の調子がよくなかったよう。歌声になると声が裏返りそうになり、立て直し、また裏返りそうになり・・・という感じでハラハラしましたが、不思議とハモるところとか、長くのばす音はなんとか裏返らずに(そのかわり力を加減してる感じでしたが)こなし、さすがはプロ!と思いました。

■洗練されたセット
私は映画版の「オペラ座の怪人」にはまるところからミュージカルを観始めたのですが、舞台版の「オペラ座の怪人」を日本で観た時、セットが古めかしく(そういう風につくってある)、映画と比べて色あせてみえてがっかりして、(他にも理由はありますが)それ以来一度も観ていませんでした。それに比べると、「ラブ・ネバー・ダイ」(以降、LND)は、その10年後という設定にも関わらず洗練されたセットで、前作「オペラ座の怪人 」の原作やLNDの原作にあたる「マンハッタンの怪人」にも出てくる鏡の間を再現していたりして、「オペラ座の怪人」のおどろおどろしさとはちがう不思議の世界が展開していました。そこにあらわれたクリスティーヌも少女だった前作とはちがって大人の女性としての美しさや色気を漂わせ、魅力的に感じました。

■いい人の転落
私が面白いと思ったのは、前作でいい人だったラウル、メグ、マダム・ジリーが一癖ある人物に変貌していたことでした。特にメグはいい年してこんなショーに出ちゃってるのか〜と唖然とし、切なくなりました。そのショー自体はとても見事でメグと思わなければ楽しく観れましたけど。ラウルの転落ぶりも仕方ない気もしますが、可愛い顔して(田代さんだったので、笑)横暴だな〜とびっくりしたり。その田代ラウルは若くみえ過ぎて、平原クリスの夫にみえにくかった気も・・・。

■無垢×無垢=無垢
LNDは子役くんの活躍する作品でもあります。原作ではピエールという名前だったはずのクリスティーヌの息子はグスタフとなっていました。山田瑛瑠くんの無垢な少年グスタフがとても可愛くて最後は彼の演技もあって泣かされてしまいました。前作では、それぞれ孤独な生い立ちのファントムとクリスティーヌの傷ついた魂が互いに引き合った感じがありました。クリスティーヌは死んだと思ってラウルと息子のグスタフと生きてきたクリスティーヌ。そのふたりが再会することでおどろおどろしい駆け引きが展開されるはずでした、原作では。でもLNDはそういう感じではなく、引き裂かれた恋人が再会したような展開になっていました。ファントムびいきの私には、そこに安心感を感じました。

■音楽の絆
ファントムとクリスティーヌを再び結びつけたのも音楽でした。彼が歌うよう求めた歌が彼女の心を決めたのです。そこが感動的じゃないですか?(笑)。ファントムが作った曲というのが、タイトル曲「愛は死なず(Love Never Dies)」であり、サビの部分は「♪愛は生きる 時を超える ただ一度の 出会いでも〜」という歌詞なんですけど、正直言ってメロディーラインはちょっと平凡というか間延びした感じなんですけど、何度も聞いているといい曲のような気がしてきます。

もう一曲、ファントムが歌う「君の歌をもう一度('Til I Hear You Sing)」の方が素敵ですね。この場面だったかどうか忘れましたが、ファントムがクリスティーヌに「癒して欲しい」と言うのところがあるのですが、声が裏返り気味の鹿賀ファントムが弱ったおじいちゃんのように感じられて、なんだか愛おしくて、優しくしてあげたくなるじゃないですか(私だけ?笑)

もっともこの部分をラミン・カリムルーが歌うとこんな感じ。全然ちがう!おじいちゃんじゃない!(笑)


演出もちがいますね。ロンドン版の映像じゃないのかなと思っていたら、ブロードウェイのニュース動画でロンドン公演の初日の映像があってみてみたらこれと同じセットでした。他に検索でよくヒットするのがオーストラリア版(こっちがDVDになっているらしい)で、今回のセットはオーストラリア版にならっているようです。

おじいちゃんの話に戻りますが、前作ではおじさんファントムが少女に恋をした感じだったのが、映画版で急にファントムが若返り(ジェラルド・バトラー)、その続きということなのかLNDでもラミン・カリムルーという若いファントムをキャスティングするということは、前作との連続性はもはや無視?と思われたところを、日本では鹿賀&市村ファントムでつじつまを合わせたのでしょうか。

それはさておき、音楽の絆がグスタフにまで及ぶところがまた感動的なんですよね。教わったわけでもないのに音楽的なひらめきを持つグスタフ。その意味を知った時、彼は・・・(涙)。

■LNDに足りないもの
そこそこ感動しながらも、なんとなく物足りなさを感じるのは、話がシンプルすぎるからなのかも。前半のファンタズマの描写とか、それより早く話の本筋に入って欲しいなと思ってみていたのですが(失礼)、あの部分がなかったら、本当にファントムとクリスティーヌが再会して終わりになり、悪者はクリスティーヌを招いたのに迎えにも来ないオスカー・ハマースタインだけに?(笑)。そういう意味では原作のようにファントムが書いたオペラにクリスティーヌを出演させ、そこで役者が入れ替わり・・・みたいな展開もあった方がよかったのかな?それもみえみえな感じではありますが。

■前作との絆も音楽
冒頭で、なんか聞いたことあるな〜と思った曲は、映画版の時に書かれて結局本編で使われなかった「Learn To Be Lonely」の一部じゃないかと思います。そこからして泣かせる〜。カットされたファントムがこの歌を歌うシーンを思い出しちゃって。他にも、「The Point Of No Return」の一部とか、ファントムの書いた歌を歌うべきか迷うクリスティーヌのバックにかかるのが前作で同様のシーンで使われた「Prima Donna」。前作ではメジャーとはいえない曲が引き継がれて、前作とLNDをつなげているのもなんかいいなと思ってしまいました。

■キャストの印象
ファントムの鹿賀丈史さんは立っているだけでカッコいい。コンディションのいい時に拝見したかったかも。
クリスティーヌの平原綾香さんは歌がすごくうまいし高音もとてもきれい。魅力的なクリスティーヌでした。
ラウルの田代万里生さんは美しさが邪魔をしてダメ男になりきれなかった感はありますが、美しいから許す(笑)
メグ・ジリーの笹本玲奈さんは水着(といっても昔風の露出の少ないタイプの)を着てのパフォーマンスがみごとでした。
マダム・ジリーの香寿たつきさんは・・・。出番が少なかったので、特別な印象はなかったかも。すみません。
グスタフの山田瑛瑠さんはとにかく可愛い。歌声も愛らしくて、その清らかさに大人が癒されていくのがわかりました。私も癒されました。

賛否両論ありますが、感じ方はそれぞれでいいんじゃないかなと思っています。


◆「ラブ・ネバー・ダイ」公式サイト
 http://lnd-japan.com/


◆CD
オペラ座の怪人2~ラヴ・ネヴァー・ダイズ デラックス・エディション(DVD付)

オペラ座の怪人2~ラヴ・ネヴァー・ダイズ デラックス・エディション(DVD付)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル
  • 発売日: 2010/03/24
  • メディア: CD


◆DVD
アンドリュー・ロイド=ウェバー ラヴ・ネヴァー・ダイズ [DVD]

アンドリュー・ロイド=ウェバー ラヴ・ネヴァー・ダイズ [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • メディア: DVD


◆原作本
マンハッタンの怪人

マンハッタンの怪人

  • 作者: フレデリック フォーサイス
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2000/02
  • メディア: 単行本



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