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「ヘアー」を観てきました(6/8) [ミュージカル]

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6/8(土)の13時の「ヘアー(Hair)」来日公演を観てきました。今回2回目です。前回観た時の記事とダブるところは省略し、気がついたことなどを書いてみます。


■日本人を母に持つ人気演出家
「ヘアー」の演出家はダイアン・パウラス(Diane Paulus)。「ヘアー」のリバイバルは2007年の秋にコンサート版の公演がヒットし、2008年にはセントラルパークで上演。そのあとブロードウェイ、そしてアメリカ国内や海外でのツアーと、人気を博し続けているのですが、その仕掛人が彼女なのです。そして、アメリカ時間の6/9(日)に発表されたトニー賞では彼女の演出した「ピピン(PIPPIN)」が最優秀リバイバル・ミュージカル作品賞を含む4部門を獲得というニュースも。パンフレットを見てわかったのですが、彼女のお母さんは日本人なんだそうです。それがどう影響しているかは特に書かれていませんが。

そういえば、指揮者も女性でした。Lilli Woskさん。指揮者も含めバンドメンバーもヒッピースタイルでしたね。

■字幕でわかったこと
私はセントラルパークとブロードウェイで観ていますが、英語が得意でないため、細かいところはよく理解できていなかったのですが、今回は字幕付きだったので(3列目で近過ぎてじっくりは見れなかったけど)色んなことがわかりました。

シーラがバーガーに黄色いシャツをプレゼントする場面。なんで黄色なのかなと思っていたのですが、最初にバーガーが出てきた時に「僕はジョージ・バーガー。でもジョージはいやなんだ。それ以外ならバナナ・バーガーとかカルマ・バーガーでも、フライング・ゲット〜・バーガーでもいいよ。」みたいなことを言う。で、シーラが「バナナ・バーガー」といって黄色いシャツを渡すわけです。なるほど〜。はやりものに疎い私でも知っているAKB48の(ですよね?)人気フレーズが出てきて受けてましたね。ブロードウェイではなんて言ってたんだろう?

すごく衝撃的だったのは、最後の曲の歌詞に出てくるこのフレーズ。「We starve look at one another short of breath walking proudly in our winter coats wearing smells from lab'ratories facing a dying nation...」どこで切っていいかわからないので長めに引用しましたが、言いたいのはlab'ratoriesの部分。映画版「ヘアー」のサントラ版CDには対訳の歌詞ブックレットがついているのですが、ここを「便所の匂いをまとい」と訳しているのです。発音的にもラバトリーっぽく聞こえるので違和感なくそう思っていたのですが、今回の字幕では「実験室の」と訳されていました。そう思ってよく見れば一部は省略してあるものの「lavatory(便所)」とは明らかにスペルがちがいます。ラボラトリーだったのか〜。数年ぶりに真実がわかりました。でも、ブロードウェイ・オリジナル版のCDにはブックレットがついてないんですよ。リバイバル版のはどうかわかりませんが、いずれも輸入版なので和訳がついているのは映画サントラ版だけ。その意味では、日本語訳は貴重なんですけどね。

■客いじりもナイス
セントラルパークで初めて観た時は、バーガーがあるお客さんのところへ行って「僕のママが来てるんだ」と言った時には全然違和感がなくて本当にバーガー役の人のお母さんが来てるのかと思ってしまったんですが、日本でそれをやるとさすがに違和感がありますよね。でもふつうにそれをやってて、そこが笑うポイントになってました。2回目に観た時は最前列にいたその女性が立ち上がって振り返ったりして、明らかにウソなんだけど楽しめましたね。「お金ちょうだい」っていうのは前回も今回もおじさんだったような。前回はすぐ近くの人だったんだけど、あわてておサイフを出してたので、あらかじめ言ってあったわけじゃなさそう。

今回は3列14番で前回とは逆サイドのセンターブロック通路席でしたが、前回はキャストにカーテンコールのあとのパーティーに来てねって途中で誘われたけど、今回はそれはなかったのは、慣れてきて人集めに自信が出てきたのかな。

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前回はお花をもらいましたが、今回はハッドからチラシをもらいました。オレンジと黄色とピンクの3枚ありました。やったね!

■ビデオを撮ろうかと思ったけど・・・
前回はカテコの写真などが撮れなかったので、今回はステージに上がらずにビデオでも撮ろうかなと若干思っていました。でも当日周りを見回すと、なぜか年齢層の高い方が多くて、相変わらず誰も「ヒューヒュー」とか言わないし、やっぱり行った方がいいかなと思って、幕間の時に、スマホを客席において録画できないかテスト。客席の椅子の背もたれのクッションが上までなくて木の椅子の部分とクッションの段差のところにiPhoneを自分撮りにして横向きに立てかけるとちょうどステージが撮れることを発見。たまたま隣の席が空いていたのでそこにおくことに決めました。

ところが、カーテンコールがはじまって、スマホをセットしようとしたのですが、なぜかテストした時のようにうまくできない。そのうちにキャストが私を見て(頭にチロリアンテープを巻いて、ノリノリだった)ステージに誘ってきたので、もう動画はいいやと録画をオフしてステージへ。それでよかったと思っています。あとで撮れた映像をみたら、わけのわからないものが写っている動画のみですぐ消しました。よく考えてみれば、カテコではみんな立ち上がっているのだから、背もたれにおいて角度がうまくいったとしても撮れなかったと思います。

■パンフレット
一番上のHAIRのロゴが入っている写真がパンフレットの表紙です。用語の説明がとても丁寧に書いてあって勉強になります。アレサ・フランクリンが「クイーン・オブ・ソウルの異名を持つ歌手」だとか、「EYES, LOOK YOUR LAST」というのがシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」のロミオのセリフだったとか、色々。シェイクスピア、結構出てきますね。不勉強で笑えないのが残念でした。アレン・ギンズバーグ(ヒッピー文化に先駆けて華開いた1950年代ビート・ジェネレーションの中核となった詩人)は私の大好きな「RENT」にも出てきます。そういう人だったのか〜。私が前回の感想に書いたマーガレット・ミードについてはなぜか書いてなかったんですが。

■出待ち
今回は出待ちしてみました。2階のお花屋さんの前がステージドア(楽屋口)です。パンフレットも持って行ったのでサインをもらおうかと思ったけど、なんとなく面倒で挨拶しただけ。みんなフレンドリーでハグしてくれました。クロードのBilly Lewisも出てきました。可愛い感じ。

そしてバーガー役のBrian Crawford Scott。もじゃもじゃの長髪はウィッグなんですね(当たり前!)。短髪のBrianにちょっとビックリ。それにしても長身ですね。バーガーだけ、なんとなくツーショットしてもらっちゃった。私、チロリアンテープの鉢巻きは外して肩にかけてましたが、こんな装いでした。
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■「RENT」に似てますね
出待ちで会った女性と軽く話していて、その方が「「RENT」に似てますね。」と言っていて、とっさに「そうですね」としか言えなかったけど、私としてはどっちがどう似せたのかなと思っていました。

「RENT」の作者のジョナサン・ラーソンが「ヘアー」が好きだったことは有名で、彼が「ヘアー」から影響を受けた可能性は高いのですが、もしかして逆もあるのかなと思ったりして。

例えば、冒頭の「アクエリアス」の時にディオンヌは着物を羽織って歌いますが、こちらで紹介した「Let the Sun Shine In: Hair」というDVDなどをみると着物を羽織ってはいなかった。「RENT」ではミミが着物を羽織って「Out Tonight」を歌います。もしかしてそれを逆輸入したのかな?

「RENT」にはドラム缶でポスターなどを焼くシーンがあります。これはもとになったオペラ「ラ・ボエーム」で暖をとるためにロドルフォが書いた原稿をストーブにくべるシーンから来ていますが、ドラム缶というのが「ヘアー」から取り入れた感じがします。それから、停電のシーンとか(停電はニューヨークではよくあったらしく色んなミュージカルに出てくるので一概にいえませんが)、一幕の終わりにアラームが鳴るところなどもよく似ています。どっちが取り入れたのかわかりませんが。

他にも、映画版の「ヘアー」に出てくる画面に向かって縦長におかれたテーブルの上をバーガーが歌い踊りながら歩くシーンと、「RENT」で横長に並べられたテーブルの上をマークが歩く(いずれも、反抗心をむき出しにして)シーンが似ていると思ったことがあります。(こちらで紹介したことあり。)

そんな話をなかなかひとことでは言えなくて・・・。

「ヘアー」は後の世に影響を与えた作品であると同時に、今もなお古くなることがない普遍的な作品です。「昔は戦争や差別があったのね」と「ヘアー」古くさく感じるような時代がいつか来るのかしら。そうなって欲しいけれど、残念ながら、それはまだまだ当分無理な気がしますね。

ヘアー [DVD]

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