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新演出版「レ・ミゼラブル」メモ(超ネタバレ版)まさかの二度泣き!?(1) [ミュージカル]

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*会場にあった横断幕

新演出版「レ・ミゼラブル」の感想のネタバレ版を書こうと思っているうちに帝国劇場の公演が終わってしまいました。これから各地をまわったあと、11月に再び帝国劇場での凱旋公演が決まったそうです。でもその時は私が観たバルジャンのキムさんはいないみたいです。「♪夏、あの人きて、喜びにあふれた、バルジャン演ったけど、秋にはもういない〜」みたいな(笑)。

私は前の演出を3回観て、映画を観て、新演出を観たという状況で、レミゼにそれほど詳しくはないので、視点がずれているところもあるかも知れません。にもかかわらず、今回一緒に観に行った3人の友人のうち2人は映画で初めてレミゼを観て今回新演出版を観たということでで、その人たちに前はこうだったよ〜と話す感じで書いていこうという無謀な企画になっています。ミュージカルを観てもあまり泣かない(じわっとくることはあるが)私がまさかの二度泣きした理由とは?

以降、ネタバレあり。
オリジナル演出はジョン・ケアードとトレバー・ナンでしたが、今回からはローレンス・コナーとジェームズ・パウエルの演出になりました。オリジナル演出も長い間には色々変わっているようですが、私はそこまで詳しくないので、私が観た数回の時からどう変わったか、という視点で書きます。

新演出の特徴としては、情景描写がより具体的になった、盆(回り舞台)がなくなった、映像を上手く使っているというようなところだと思います。


第一幕
・1枚目の写真のような女の子の絵柄の幕がなくなり、手書きみたいなタイトルロゴになった。
・場面が大きく変わる時に出る「ツーロンXXXX年」等の表示ももなくなった。
Les_Mise_IMG_1597.jpg
・囚人のシーンはこの絵のように船を漕ぐように変わった。前は囚人が前後2列に並んで、何か強制労働をさせられている風なのですが、具体的に何をしているかははっきりしない感じ。穴を掘るとかそんな感じ?

・キム・ジュンヒョンさんのバルジャンはイケメンで男らしい感じ。以前のジャベールのイメージに近いかも?バルジャンは体格が良くて最初からおじさんぽい感じだったのですが、キム・バルジャンは若々しかった。(年齢とともに年をとっていく感じも上手だった。最後の方はよろよろしてたし。)
・吉原光夫さんのジャベールはがっちりしていて私のバルジャンのイメージに近い。事実、今回もバルジャンもやっているし、前に私は吉原・バルジャンをみたことがある。吉原・ジャベールから映画版のじゃベールを連想した。

・バルジャン仮出獄後はカマを持って農作業をしていた。他の男女も稲藁の束を抱えていたりして農作業だとわかる。前の演出では何の仕事をしてたか思い出せない。この辺もわかりやすく変えたようだ。

・司教のシーン。前は司教に招かれて家族とともにテーブルにつき、みんながお祈りをしているのにバルジャンはがつがつ食べているという感じだったが、今回はバルジャンだけが椅子に座って食べる感じで、司教の家族はバルジャンを招き入れたのをよく思っていない風だった。

・実は私が初めてレミゼを観た時、大泣きしてしまったのが司教が銀食器を盗んだことを許すシーン。今回も大泣き。「(あなたの魂)私が買った」のところは以前のオクターブ下でちょっと盛り上がりに欠ける感じもあったけど、それでも感動。司教を裏切ったことを後悔するバルジャンの歌もよかった。

・工場のシーンでは、横長のテーブルがおかれ女子は制服を着て手をこまめに動かして作業をしていた。前は具体的に何かしている風ではなく、順番にお給料をもらっているみたいなシーンだった気がする。
・工場長はファンテーヌに後ろから抱きつきながら手紙を渡す。スケベ度アップ(笑)。

・里アンナさんのファンテーヌ。「夢やぶれて」は、はじめはおとなしめと思ったが、後半への盛り上がりがすごくて、聞きごたえがあった。
・英語の歌詞の「サンダー」にあたるところに雷のような音がした気がした。日本語では「(オオカミの)牙が」という部分なので意味が違うけど。

・ラブリーレディ。女性たちの衣装がカラフルになった。
・ファンテーヌは髪どめではなくペンダントを売る。工場のシーンからペンダントをしてたので気になっていた。これを売るのか〜と納得。前は髪どめと言われてもよく見えないしわかりにくかった。
・ファンテーヌの最初の客は工場長だったからびっくり。前は誰だったんだろう?

・馬車のシーン。前は盆がまわって馬車馬が暴れて暴走しているところが表現されていたけど、新演出では馬車はそんなに動かなかった感じ。バルジャンが別人の誤認逮捕に苦悩するシーンは感動。バルジャンの心情がよく伝わってきた。

・ファンテーヌが死ぬ場面。ベッドは下手側になった(前は上手側だった)。 ジャベールは手錠のついた鎖、バルジャンは素手で戦う。前はジャベールは警棒のようなもの、バルジャンも何か棒状のもので戦っていた。

・リトルコゼット(木村青空ちゃん)可愛いかった。でもしっかり歌ってた。

・テナルディエの宿屋。客は松葉杖の男や盲目の男など。前は普通の旅行者風だったり、近所の人だったりした。
・客の吐いたもの、盲目の客が持って来た鳥籠のカナリアまでミンチに。客の尿をボールに入れたのをテナルディエ夫人が瓶に入れ、それをテナルディエが持っていって最後に飲んでしまい、それを霧のように吐き出す。妙にリアルな演出になって、気持ち悪かった。

・バルジャンがリトル・コゼットを連れて帰る時、空色のコートを着せてあげてた。(前は黒っぽいコートだった。)

・パリ。舞台全体に建物のセット。(これは前はなかった。)2階にガブローシュがいて歌う。歌の最後にビブ・ラ・フランス(フランス万歳!)と言った気がした。下手側の旗か何かに「Vive la France」って書いてあって、それでそう歌ったとわかった。前は「万歳」とか歌ってたのかも。

・このあとどこかで建物のセットが引っ込んで、上手側にテナルディエなど。

・後半の歌で、エポニーヌを紹介する部分のフレーズが微妙に違ってた。(前は「あいつまだガキなのに恐いもの知らず」みたいな歌詞だった。)

・コゼットとバルジャンが施しをして歩く。コゼットは綺麗なワンピース。前は黒いワンピースに黒い帽子ですごく地味で、暗い感じだった。

・ジャベールが「星よ」を歌う場面。床の高さに橋、背景に星。前はもっと高いところで歌ってた気もするけど自信がない。

・エポニーヌ(笹本玲奈さん)は可愛い。マリウスにコゼットを探してと言われるシーンが切ない

・ABCカフェ。誰かが歌っている時に他の学生がそれに返事をしたりする。アンジョルラスに賛同したり、マリウスを茶化したり、グランテールには「やめろ」と野次。前は歌っている人以外がしゃべったりということはなかった。
・新演出では、学生が観客にお尻を向ける場面が多い。アンジョルラスが特に。ひとりが演説しているとみんなその人の方を向いて話を聞くのだが、結果的に観客には後ろ向きになる。リアルではあるが、リアルさよりもこっちを向いてよと思う。
・アンジョルラスは赤い地色に模様のついたベスト。前は黒っぽいベストだった。二幕の軍服風の赤いベストとかぶる。学生たちは裕福な家の子が多いことから衣装が色々変わっているらしい。
・アンジョルラスが赤いテーブルクロスを掴んで旗にするシーンは、テーブルクロスではなく端っこに無造作にかけてある布。それをとると銃が数丁出てくる。テーブルクロスの方が意外性があって好きだった。
・ガブローシュが「ラマルク将軍が死んだ」という場面は、前より大きい声で言うようになった。前の演出では、ガブローシュはラマルク将軍の死が何を意味するか知らず、普通の情報のように抑えめに語ることになっていた。

・ブリュメ街。バルジャンの邸宅の内側目線。前は盆が回転して、門の内側になったり外側になったりしたが、回転はなし。門は幅が狭く上部に裏向きに「55」とある。
・コゼットの歌。「♪暗い秘密〜」 のあと もうワンフレーズコゼットが歌い、バルジャンは「言う言葉と言わない言葉がある」的なことを返す。この部分は前はなかった。このあとコゼットが「♪お願い話してよ〜もう大人よ」と歌うところからは前と同じ。
・門が回転しないので、マリウスとエポニーヌは塀が切れている上手側で門の外側としての演技。
・マリウスは塀を乗り越えて、小石(?)を二階の鎧戸にコンとぶつけて合図。コゼットとデュエットする。
・名前を聞く部分で、コゼット「コゼットです」、マリウスが「コゼット、何をいえばいい?」と、コゼットと呼びかけている。前はなかった。英語版はここで「コゼット」と言っているので、それにより近くなった。
・そのままコゼットとマリウスは家の中に消えた。前は家の中には入らなかったはず。庭の中で軽く会話する程度だった気がする。
・その間にエポニーヌはコゼットの家のドアの前に。そこへテナルディエたちが上手側から来る。門を乗り越えずに。どこから入ってきたんだ?(笑)前はエポニーヌやテナルディエたちは門の外側にいて、盆がまわって門の外側が手前になっていた場面。
・エポニーヌが叫んだのを聞いて、マリウスとコゼットが出てきて、エポニーヌとマリウスが逃げる。

・ワンデイモア。前は舞台センターでバルジャンとコゼットが旅行カバンに荷物を詰めるところから始まり、徐々にまわりに色んな人が出てきてそれそれ歌う感じだった。新演出では、コゼットとバルジャンは下手バルコニー(荷造りシーンはなし)、マリウスは上手バルコニーから歌い始め、最後は群衆に合流。

というところで、長くなってきたのでここで一区切りしたいと思います。まだ一度しか泣いてない私がどこでもう一度泣いたかは後編で報告します。

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