BW版「オペラ座の怪人」（6/19昼）観てきました

旅行記はあとにして観劇記を先に書くことにします。

２日目のマチネは「オペラ座の怪人」を観ました。これまでにも述べた通り、私がこんなにミュージカルを観るようになったきっかけは映画版の「オペラ座の怪人」を偶然みたことからでした。ジェラルド・バトラーのファントムにすっかりはまり、その流れで一度だけ日本でアンドリュー・ロイド＝ウェーバー版の「オペラ座の怪人」の舞台を観ました。某劇団の「オペラ座の怪人」は私が思ったようなものではなく（映画のイメージが強かったせいもあり）、それ以来観ておらず、ブロードウェイには何度も行ったのに、なんとなく観ないで過ごしてしまいました。

今回観てみようと思ったのは、「レ・ミゼラブル」の２５周年コンサートでジャベールを演じたアフリカ系のノーム・ルイス（NORM LEWIS）さんがファントムを演じるということからでした。それと、最近のブロードウェイの状況に目が行き届かず、今年はトニー賞もwowowだったためみれなかったこともあり、観るものの選択肢があまり多くなかったこともあります。それでも、長年前を素通りしてきたマジェスティック劇場についに足を踏み入れることになりました。

結論をいうと、観て本当によかった。私が泣くほど感動するとは自分でも予想外でした。今回観た中で一番感動したかもです。

「The Phantom of the Opera」　2014.6.19　14:00
MAJESTIC THEATRE

ORCHC　O-101　$90.00

CAST
The Phantom of the Opera ... NORM LEWIS
Christine Daae ... MARY MICHAEL PATTERSON
Raoul, Vicomte de chagny ... JEREMY HAYS
Carlotta Giudicelli ... MICHELE McCONNELL
Monsieur Andre ... LAID MACKINTOSH
Monsieur Firmin ... SCOTT MIKITA
Madame Giry ...ELLEN HARVEY
Ubaldo Piangi ... CHRISTIAN SEBEK
Meg Giry ... DEANNA DOYLE
Auctioneer/Don Attilio("Il Muto") ... CARRINGTON VILMONT
Monsieur Reyer/Hairdresser("Il Muto") ... BRONSON NORRIS MURPHY
Jewler("Il Muto") ... NATHAN PATRICK MORGAN
Monsieur Lefevre/Firechief ... KENNETH KANTOR
Joseph Buquet ... RICHARD POOLE
Passario("Don Juan Triumphant") ... JEREMY STOLLE
Slave Master("Hannibal") ... ERIC OTTO
Solo Dancer("Il Muto") ... MATTHEW PRESCOTT
Page("Don Juan Triumphant") ... KELLY JEANNE GRANT
Porter/Fireman ... ANDREW DROST
Spanish Lady("Don Juan Triumphant") ... LYNNE ABELES
Wardrobe Mistress/Confidante("Il Muto") ... SATOMI HOFMANN
Princess("Hannibal") ... ELIZABETH WELCH
Madame Firmin ... SUSAN OWEN
Innkeeper's Wife("Don Juan Triumphant") ... HEATHER HILL
Marksman ... PAUL A. SCHAEFER
The Ballet Chorus of the Opera Populaire ...DARA ADLER, JESSY HENDRICKSON, GIANNA LOUNGWAY, MARIA PHEGAN, JESSICA RADETSKY, CARLY BLAKE SEBOUHIAN
Ballet Swing ... DEANNA DOYLE
Swings ... SCOTT MIKITA, GREG MILLS, JANET SAIA, JIM WEITZER

プレイビルに小さい紙が入っていて、クリスティーヌがSIERRA BOGGESSではなくアンダースタディだとわかりました。（あとで気づいたらメグも代役でした）。プレイビルによると、クリスティーヌ役は月曜と土曜のマチネはもともと私がみたMARY MICHAEL PATTERSONがキャスティングされていて、この日はそれに該当しない日でしたが、シエラがお休みでした。

■感想
・座席
他で高いチケットを買ってしまったのでこちらは控えめにO列にしたのですが、上に２階席が少しかかっていたので、シャンデリアが上に上がるシーンでは最後まで観れず、ちょっと失敗でした。いっそ二階席の前の方とかの方がよかったかも。でもその他のシーンでは特に気になりませんでした。

・全体の印象
日本で観た時は、セットや衣装が古めかしく思えたのですが、こちらのセットはゴージャスで、劇中劇「ハンニバル」もとても華やかでした。それでまず安心しました。シャンデリアのシーンには圧倒されました。「マスカレード」のシーンも素敵でした。オペラ歌手役の人たちをはじめ、ミュージカルというよりもオペラっぽい歌い方の部分が多くて、歌の響きがとても美しかったです。

・ノームさんのファントム
日本で観た時は、ファントムがクリスティーヌに恋いこがれている感じが薄く思えたのですが、ノームさんは全然違いました。

最初に隠れ家に連れて行ったところでは、日本で観た時は（映画と比べてしまった背もあるけど）真っ平らな床に垂直の柵の前でファントムが「Music of the Night」を歌うところは古くさい歌謡ショーのように思えてがっかりしましたが、こちらは背景の柵にも陰影があり、平板な印象はなかったし、歌もよかった。

クリスティーヌにマスクを奪われて激怒するファントム。そこには悲しみも込められていました。床に倒れ込んでその感情を表現。そして崩れた方の顔を手で隠して、床に倒れたまま少しずつクリスティーヌに近づいていきます。そしてかなり近づいたところで顔を隠した手を離したらそれをみたクリスティーヌが顔を背けます。それを見て、悲しそうにまた顔を隠すファントム。なんと切ないのでしょう（涙）。

「All I Ask of You」ではリプライズの部分は泣き声のよう。ファントムのショックが伝わってきます。

クリスティーヌからキスされるシーンでは１回目は両手は開いたままでクリスティーヌに触れることができず、２回目にキスされた時に恐る恐るクリスティーヌの背中に手を添える。そんなファントムの姿も愛おしく思えます。

そしていったんクリスティーヌが出て行ったあと戻ってきて指輪を渡すシーン。「Christine, I love you...」と歌ったあと、去っていったクリスティーヌに追いすがるように、アドリブで（？）「I love you」と２回くらいいうのが、本当に切なくて（大泣）。すっかり感情移入してみてしまいました。

・余談：「ラブ・ネバー・ダイズ」とどうつながる？
LNDを観た時、クリスティーヌがファントムの子を産んでいたという批判の多い設定に、私としてはあまり違和感はなかったのですが、今回「オペラ座の怪人」を観て、確かにファントムにはクリスティーヌを身籠らせるような余地はほとんどないなと感じました。これを観るまでは、「確率は低いけれど、濃厚な接触によって妊娠の可能性も否定できないのでは？」という反論を考えていましたが、それほど濃厚な接触でもないし、またこの場面でファントムがクリスティーヌに性的欲望を感じていたとは考えにくく、もっと神聖な存在とだっただろうとも思いました。それでも、そういう生物学的限界を超えてでも二人の思いが結実したと私は信じたいのですけれど。

・クリスティーヌ
観た時は代役だと思っていたMARY MICHAEL PATTERSONさんですが、上記の通り、曜日によってクリスティーヌをつとめている人。どおりでうまいと思った。可愛いし声も綺麗で、可憐なクリスティーヌでした。「Think of Me」の歌いだしのところは自信なげで、フレーズの切れ目で心配そうに後ろを振り返り、マダム・ジリー（たぶん）にうながされて続きを歌う。そんなところが初々しくてよかったです。

・ラウル
JEREMY HAYSさんのラウル、かっこよかったです。軍服姿も素敵。映画版と流れが違うのか私が見逃したのか、ラウルを紹介するシーンがどこだったのかわかりませんでした。キャストの顔の判別がついてなかったせいもありますが。

■パンフレット
自分のおみやげにパンフレットを買いましたが、シエラさんはいるのにファントム役はノームさんではなく別の人。キャストの紹介用の二つ折りの紙（写真入り）は入っていたけど、ノームさんのファントムの舞台写真が欲しかったな〜。


■出待ち
軽く出待ちしました。
マジェスティック劇場は44St.と45St.の二つの通りの面していて、入り口は44St.側ですが、ステージドアは45St.側にありました。出待ちしたいなら45St.側の出口から出ないと、反対側までまわって行かなくてはならなくなりますのでご注意！（私がこれをやりました、笑）

＊お願い＊
　キャストの写真は他で使わないでくださいね。

・ラウル（JEREMY HAYS）
このあと写真を一緒に撮ってと誰かが言ったので、その時はサングラスを外してました。プレイビルの表紙にサインしてもらいました。一番下のです。


・Passario("Don Juan Triumphant")のJEREMY STOLLE
ラウルよりもっとイケメンな人が出てきて、誰かと思ったらアンドレPassario役の人でした。サインは左上のがそうです。（訂正：プレイビルの写真が似ていたので間違えていたので訂正しました。）


・クリスティーヌ（MARY MICHAEL PATTERSON）
可愛い感じでした。サインは真ん中のMではじまるもの。


・ファントム？
NORM LEWISさんを待っていましたが、マチネのせいか出て来なかったです（私が待っている間は）。あきらめきれないファンはそれでも待っていましたが、私はとりあえず向かい側のおみやげ屋さんに入り、でも中から様子をうかがっていたのですが、出てきた形跡はありませんでした。残念。


★インデックス
→　ニューヨーク旅（2014年6月）インデックス　

タグ：オペラ座の怪人 ノーム・ルイス